浄土真宗では、宗祖・親鸞聖人以後、さまざまな方々によって
そのお念仏の教えや、おあじわいについての著述が行われています
その代表的なものが" 御伝鈔 " " 御文・御文章 "といえるでしょう

" 御伝鈔 "といいますと、報恩講を思い浮かべる方も少なくないでしょう
もともとは「 善信聖人親鸞伝絵 」と題されていました
著書は親鸞聖人の曽孫にあたる覚如上人( かくにょじょうにん )
( 本願寺第三世宗主1270~1351 )です

覚如上人は親鸞聖人のお徳をしのぶため、親鸞聖人の生涯を
" 絵 "と" 詞 "であらわされたのです
それは、一つの巻き物としていっしょになっていました が
のち" 絵 "の部分は" 御絵伝 "、" 詞 "の部分は" 御伝鈔 "として
独立した形をとります

そして、報恩講では" 絵 "の部分の" 御絵伝 "がお寺の内陣の
左右の余間にかけられ、" 詞 "の" 御伝鈔 "が拝読されるように
なったのです

次に" 御文( 大谷派の呼称 ) " 御文章( 本願寺派の呼称 ) "です
もちろん、どちらも同じものです
これは、蓮如上人( 本願寺第八世宗主1415~1499 )によって
浄土真宗の他力念仏の教えの肝心なところが、わかりやすい
文章にしてあらわされたものです

蓮如上人は、これを手紙( 書簡  )という形で多くの門徒に
書きあたえました
受け取った人々は、それをみんなでまわし読んだり
門徒のリーダー格にあたる人が読みあげたりすることで
浄土真宗に対する正しい信仰がどんどんひろまっていきました
今から、およそ500年余り前のことです

今日まで伝えられてきたのは、約200通あまりで
そのうちの80通ほどは" 五帖( ごじょう ) "にまとめられています
お寺の法要のときや、年回法要などで、おつとめのあと
ご住職が参詣者のほうに向き直って、うやうやしく
おしいただいて読み上げるならわしは、蓮如上人在世当時を
偲んでのしきたりだといってもいいでしょう

なお、蓮如上人においては上人の十男にあたる
実悟上人( じつごじょうにん )の著作をまとめた
「 蓮如上人御一代記聞書 」もよく知られています

" 御伝鈔 "は親鸞聖人の生涯について
" 御文・御文章 "は蓮如上人の伝道の書簡集です