" 浄土三部経 "という名称は、もとはといえば親鸞聖人の師である
法然上人の「 選択集( せんじゃくしゅう ) 」に始まります


「 選択集 」の二門章に
" 往生浄土を明すの教というのは、三経一論( さんぎょういちろん )これなり
三経というのは、一に「 無料寿経 」、二には「 観無量寿経 」
三には「 阿弥陀経 」なり
一論というのは" 天親( てんじん ) "の「 往生論( 浄土論 ) 」これなり
あるいはこの三経を指して浄土の三部経とするなり "

と明記されています
さらに、" 三部経 "ということについては

" 三部経の名、その例ひとつにあらず "

と、ほかに法華( ほっけ )の三部経、大日の三部経、鎮護国家の三部経
弥勒( みろく )の三部経があると示されます
しかしながら、法然上人は

" 今はただこれ弥陀の三部なり
ゆえに浄土の三部経と名づくなり "

と述べられておられます
そのうえで

" 弥陀の三部というのは、これ浄土の「 正依経( しょうえきょう ) 」なり "

と言われています
" 正 "とは正報( しょうほう )といわれて、" 阿弥陀仏 "そのものをさし
" 依 "とは依報( えほう )といわれて" 環境 "すなわち浄土のありさまをいいます
" 三部経 "といっている「 仏説無量寿経 」 「 仏説観無量寿経 」
「 仏説阿弥陀経 」は、いずれも浄土の主である" 阿弥陀仏 "と
浄土の" 相( すがた ) "が表現され、さらに私たちが浄土へ往生する
方法が説かれているので" 浄土三部経 "といわれています

「 仏説無量寿経 」には阿弥陀仏の本願が表され" 一切衆生 "つまり
生けるものすべて平等に浄土へ往生する道理が説かれています

「 仏説観無量寿経 」には一切衆生が浄土往生する道理によって
一人の女性が現に救われていく実例が説かれています

「 仏説阿弥陀経 」には、一切衆生が念仏によって間違いなく
浄土往生することを諸仏方が" 証明・讃嘆( さんだん ) "され
私たちに浄土往生をうながしておられる事実が説かれています